電報は昔のように「危篤、至急連絡されたし。」「死す。」といった急な連絡のために用いることはなくなりました。
現在の電報は結婚式や出産などの慶事やお葬式などの弔事に儀礼的なメッセージを送るためのツールに変わっています。メールやLINEではなく、台紙にメッセージを添えて、形に残るものとして電報が用いられます。
そうした形に残る電報ですので、無味乾燥な「紙一枚」ではなく、さまざまに凝ったデザインのものが登場しています。
今回は電報のデザインについて「台紙」と「文字」の2つの観点から紹介します。
慶事用、弔事用~豪華にできるデザイン台紙
最近の電報では、電報台紙をデザインできるものが増えてきました。
【文字料金(ページあたり)+デザイン台紙】
電報を送る際に支払う料金で、デザイン台紙が豪華になると、その費用だけで10,000円を超えることもあります。
慶事用のデザイン台紙は有名キャラクターをデザインした台紙、キャラクターのぬいぐるみやブリザードフラワー付きの台紙などバリエーションが増えています。
さらに、もはや台紙ではないのですが、漆器、伝統工芸品、オルゴールなどもセットで送れるものもあります。
単なるお祝いの意思表示ではなく、豪華なプレゼントもかねて慶事の電報を送れるデザインのものが増えています。
弔事用の電報デザインはもちろん華美なものはありませんが、押し花、刺しゅう、お線香や線香台付きなど多様なものがあります。故人を偲ぶための心遣いを電報で示せるようになりました。
文字をデザインできるデコレーション電報も登場
電報大手、NTT東日本やNTT西日本の電報は、「明朝体横書き」「毛筆体縦書き」など地味な文字デザインしか選べません。
しかし、非大手の電報会社のなかには文字そのものをデザイン、デコレーションでき、文字全体で思いを伝えられるものも登場しています。
デコレーションカード電報と呼ばれる電報は、文字のフォントや色を自由にデザインできるだけでなく、画像やスタンプを使って電報の用紙部分を華やかに装飾できます。
特に慶事の電報は特別なシーンにふさわしいデザインで気持ちを伝えることがでます。
さらに「デコチョコ電報」(実際にはチョコを郵送する)という、チロルチョコの包装に文字をデザインして送る「食べられる電報」というサービスも登場しています。
まとめ
電報というと緊急時の連絡方法というお堅いイメージがありましたが、近年ではとてもおしゃれなデザインのものが増えてきました。
大手電話会社以外にも電報をサービスする会社も出ており、そこには個性的なデザインの電報があります。
ただし、大手電話会社の電報は独自の配達網で期限に届くように送りますが、そうでない会社の場合民間の配送業者を利用する「宅配便」です。電報のなかでメッセージを正確に届けることなのか、凝ったデザインの電報を送ることなのか、優先順位をしっかり考えてください。